子曰:“人而不仁,如礼何?人而不仁,如乐何?”
《论语》八佾第三-3
素読文:
子曰わく:“人にして不仁ならば、礼を如何せん。人にして不仁ならば、楽を如何せん。
解釈:
不仁な人が礼を行なったとてなんになろう。不仁な人が楽を奏したとてなんになろう。
「仁徳を持って礼を尽くさねば、形だけのモノになる。仁徳のない音楽は人の心に響かない。」という意味です。
子曰:“人而不仁,如礼何?人而不仁,如乐何?”
《论语》八佾第三-3
素読文:
子曰わく:“人にして不仁ならば、礼を如何せん。人にして不仁ならば、楽を如何せん。
解釈:
不仁な人が礼を行なったとてなんになろう。不仁な人が楽を奏したとてなんになろう。
「仁徳を持って礼を尽くさねば、形だけのモノになる。仁徳のない音楽は人の心に響かない。」という意味です。
前回は作業員も,与えられた作業を計画することにより,自主性を発揮できるという話を書いた.
当然間接職員も同じだ.作業の手順に計画性を持たせるだけではなく,時間も計画性を与える.
仕事や作業を,緊急性と重要度で層別してみる.
領域1.緊急度,重要度とも高い. (例)顧客クレーム
領域2.緊急度は低いが,重要度が高い.(例)教育
領域3.緊急度は高いが,重要度が低い.(例)電話のコール
領域4.緊急度,重要度とも低い. (例)業者との無駄な世間話
領域ごとに時間の使い方を計画する.
領域1.有無を言わさずスピードを上げてやる.
領域2.計画を立てて,計画通りに進める.
領域3.止めても問題ないように工夫する.
領域4.止める.
領域4を全てやめて良いというわけではない.例に揚げた業者との世間話は,世間話により信頼関係を築き,重要な情報を手に入れることもありうる.きちんと目的・計画を持ってやる.無目的に世間話をしていても,重要な情報にアンテナが反応しないだろう.
この様に時間の使い方をきちんと計画することにより,時間の奴隷から,時間の支配者に変わることが出来る.
このコラムは、2010年3月29日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第146号に掲載した記事に加筆しました。
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【中国生産現場から品質改善・経営革新】
先週は以前指導をしていた工場に呼ばれ,訪問指導に出かけた.
3年近く経っているが,中国人幹部,現場のリーダ等当時指導したメンバーがたくさん残っており,楽しい仕事だった.
以前の指導で,生産に使用した部材ロットをトレースする仕組みを導入した.それがうまく機能していることを確認するために,部材倉庫を見に行った.三年経ってもきちんと運用が維持されていた.
部材倉庫で,出庫のためにキッティング作業をしている作業員を見かけた.キッティングとは,出庫部材を部品払い出し伝票に従い,倉庫の棚から集めて回る仕事である.
作業員が部材を集めて回っている台車に積まれた部品梱包箱の積み方が気になった.小さな箱の上に,大きな箱が積まれ不安定だったのだ.
こういう状況を見ると,即その場にいた作業員やリーダを集めて指導が始まる.
払い出し伝票を受け取った時に,すぐに部品を集めに回らない.
まず伝票を見てどう回れば,効率よく部品が集められるか考える.
この時台車に載せた部材の箱を並べなおすようでは,まだ事前の考える力が足りない.
毎日の仕事を通して,自分の頭を訓練しなさい.と指導をした.
まず彼らには,部材を不安定な積み方をして運搬した時のリスクに気がつく感受性を持ってもらわなければいけない.その上で,台車には下から順に大きなものから乗せなさい,と指導をするのは簡単だ.しかしそれでは不十分だ.
彼らは部品をピックアップするたびに台車の箱を積み替えしなければならない.こういう指導では1週間守れればよいほうだろう.
自分の頭を鍛えるためと教えれば,自ら進んでやるだろう.
指示された作業をするだけでは成長は無い.出庫伝票を吐き出してくるコンピュータの奴隷と同じだ.作業を自ら計画することにより,作業は仕事となる.主人は自分だ.
作業に計画性を与え仕事とする.仕事によって自分の能力を磨く.この様に,仕事を通して日々成長することを教えれば,自ら進んで仕事をするようになるはずだ.
このコラムは、2010年3月22日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第145号に掲載した記事に加筆しました。
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【中国生産現場から品質改善・経営革新】
問題に優劣なし、問題解決に優劣有り。
問題に気付かぬは問題外。
処置のみするは下。
再発防止をするは中。
未然防止をするのが上。
現場の改善指導をしていてこの標語を思いついた。
問題には影響の大小、重軽はある。リコールに発展する市場問題、工程内で発見出来る不良問題など、経営に与える影響の大きさは同じではない。従って問題に対する対応の優先順位や緊急度の違いはある。しかし問題そのものに優劣がある訳ではない。
問題に優劣はなくとも、問題解決には優劣がある。
問題解決を誤って倒産、と言う事例を挙げればきりがないだろう。
使用期限切れ材料で問題を起こした飲料会社は、問題解決を誤り倒産。
ゴキブリ混入問題を起こした食品会社は、工場・設備を作り直し清潔の見える化を徹底した。たった1件の問題にここまで対応し、消費者の信頼を回復。
この差は大きいが、違いは僅かだ。
問題発生時に世間(お客様)から逃れようとするか、真っ向から対応するかの違いだ。
問題解決の優劣を検討してみよう。
「問題に気付かぬは問題外」
これは説明するまでもないだろう。
職場で発生しているヒヤリハット問題に気が付かず放置した結果、安全事故が発生する。
工程内で発生している慢性不良に気が付かず(麻痺して)放置、客先に流出、最悪市場まで流出。
「処置のみするは下」
処置とは、発生した問題を正常に復帰させることをいう。次の様な例で理解出来るだろう。
設備から異音が発生。調査の結果扉を固定しているねじが緩んで、扉が設備の振動と共鳴し異音発生と原因が分かった。
ねじのまし締めをするのが処置。
なぜねじが緩んだのかを原因究明しないと問題解決は出来ない。
人為ミスに対し、ミスをした作業者に「注意」「再教育」「罰金」をするのが処置。
なぜ人為ミスが発生するのかを原因究明しないと問題解決は出来ない。
「再発防止をするは中」
前述の例で言えば、再発防止とは次の様な対策となる。
なぜねじが緩んだ→ねじに振動がかかり続けた。なぜネジに振動がかかった→モータが振動した。なぜモータが振動した→モータのプーリーが偏心。
と解析の深度を深めれば、プーリーの偏心を修正する事が再発防止となる。
人為ミスも同様に解析し、やりにくい、分かりにくい、間違えやすいなど人為ミスが発生する原因を除去する事で再発防止となる。
再発防止の中でもランクが存在する。
「未然防止をするのが上」
未然防止とは、まだ発生しない問題に対し対策を実施する予防保全だ。
例えば次の様な問題に対する事前対策が未然防止対策だ。
このコラムは、2017年6月19日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第533号に掲載した記事に加筆しました。
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【中国生産現場から品質改善・経営革新】
先週の雑感「離職率と多能工化のジレンマ」に読者様からメッセージをいただいた。
※F様のメッセージ
深セン市にある弊社は、日系の電子部品生産会社で、従業員1100人程度です が、作業員の離職率の高さ(定着率の低さ)が喫緊の課題です。今回の離職率に関する雑感は、同感です。
F様の工場では試用期間(3ヶ月)以内に辞めて行く従業員が多いそうだ。離職率が高いと言ってもそれほど高い訳ではない。しかし従業員数が多いので、毎月数十人採用し続けなければならない。
先週ご紹介した中国企業は、離職率が更に一桁高い(苦笑)今まで色々な工場を見て来た私にとっても、衝撃の離職率だ。
ご紹介した中国企業の場合は、1週間以内に辞める者が多いそうだ。
彼ら自身の分析によると、募集時に提示している給与に引かれて応募して来る者が多くあるが、その給与が毎日3時間残業込みの金額である事が、1週間で分かり、辞めて行く。と言う事だそうだ。
では、一人当たりの生産性を上げてより多くの給与を支払える様にする、と考えれば良いのだが、先週のコラムに書いた様にあまりに離職率が高く作業員の教育訓練の暇がない。そのため作業を単純化し大量の人員で生産。離職率は改善されず、悪循環のままと言う状況だ。
離職率の高い企業には共通点があると感じている。
新しく入って来た従業員の「居場所」がないのだ。居場所とは抽象的な言い方だが、安心して居られる場所と言う意味だ。組織や一緒に働く者が自分に関心を持ってくれている、自分の存在を認めてくれる、と言う感覚の事だ。
デール・カーネギーは「人を動かす」の中で、組織や仲間に必要とされている、組織や仲間に対して貢献出来ていると感じれば、人はモチベーションが上がると言っている。
参考:「人を動かす」デール・カーネギー著
工場経営の師匠原田則夫師は、新人採用時に1週間かけて新人教育をしていた。
新人研修の講師は二年目の工員がボランティアで担当する。
新人研修の後、職場に配属されると3ヶ月は班長と交換日記を義務付けられる。交換日記制度で、新しい環境に対する不安を取り除き、企業文化に慣れさせることができる。日記で新人の心の変化が読み取れるので、班長から適時適切な対応が可能となり、新人の離職が防げる。新人は、班長から自分に対し関心を持ってもらっている、組織から守られていると言う感覚を持つので、辞めようとは思わない。それでも辞めようと思う人は、組織文化に合わないので早めに辞めてもらった方が良い、と言うことになる。
新人教育の教師役を2年生の工員が担当すると言う所にも秘訣がある。教える為に勉強するばかりではなく、教えると言う行為が自分に自信を与える。組織や、新人に対して貢献出来ていると言う実感を持つ事になる。
教えあい、学びあう。互いに尊重する。そんな風土・文化があれば、居心地が良い組織になると思う。その結果離職率も下がるはずだ。
このコラムは、2017年7月3日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第535号に掲載した記事に加筆しました。
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【中国生産現場から品質改善・経営革新】
最近「無料工場診断」で携帯電話を生産している中国企業を訪問した。携帯電話生産の中国企業を訪問指導するのはこれで2社目となる。
この2社に共通しているのは、大勢の作業員を工程に投入するスタイルの生産方式をとっている事だ。そして高離職率と言う共通の悩みを持っておられる。
生産に多人数を投入すれば一人当たりの作業は少なくなり、短期間で作業員を作業習熟させる事が出来る。離職率が高くても、新規に雇用した作業員を短期で戦力化出来ると言うメリットがある。
しかし作業員が多く離職率も高いので、採用が難しくなる。
少人数で生産出来る方式にすれば採用は楽になる。
少人数で生産するためには、一人当たりの作業を増やさねばならない。更に多能工化する事により少人数生産で生産効率が上がる。
しかしここで、離職率の高さが問題となる。作業員が作業習熟する前に離職。多能工育成など不可能な状態だ。
TWI(企業内職能訓練)により、作業習熟化の効率は上がる。副次効果として離職率の低下も期待出来る。実際TWIを導入した企業で離職率が下がるという副次効果が出ている。
しかしこの企業の様に、月次離職率を年間離職率と間違えるほど離職率が高い職場でも有効かどうかはちょっと不安だ(苦笑)
先ずは組織と従業員の関係性を改善する必要があると判断した。
この企業には、先ず行動変容研修の中国人コンサルを送り込んだ。
これで現場監督者と経営層の意識改革が出来れば私たちの出番となる。
このコラムは、2017年6月26日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第534号に掲載した記事に加筆しました。
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【中国生産現場から品質改善・経営革新】
子曰:“若圣与仁,则吾岂(1)敢!抑(2)为之不厌,诲人不倦,则可谓云尔(3)已矣!”
公西华曰:“正唯弟子不能学也。”《论语》述而第七-34
(1)岂:「豈」どうして〜か「あに」と訓ずる。
(2)抑:『只不过』の意味。「そもそも」と訓ずる。
(3)云尔:『这样说』の意味。「しかいう」と訓ずる。
素読文:
子曰わく、聖と仁とのごときは、則ち吾豈敢てせんや。抑之を為びて厭わず、人を誨て倦まざるは、則ち云尔と謂うべきのみ。公西華曰わく、正に唯弟子学ぶ能わざるなり。
解釈:
「聖とか仁とかいうほどの徳は、私には及びもつかないことだ。ただ私は、その境地をめざしてあくことなく努力している。また私の体験をとおして倦むことなく教えている。ただそれだけが私の身上だ」と孔子は簡単に言っているが、孔子のいう「ただそれだけ」が我々凡夫には到底及ばないことだ。
素読には『为之不厌』を「為びて厭わず」としましたが、「為して厭わず」と解釈することもできます。「聖と仁をなして厭わない」と解釈した方が理解しやすいでしょう。
万人から聖人、仁者と尊敬される孔子が謙遜して「吾豈敢てせんや。」と言っています。これが本当の仁者です。
先週のコラム「言葉の定義」について書いた。
今週は、もう1件言葉の定義の事例をご紹介したい。
私の友人は、深センに営業所を開設するために上海から深センに赴任して来た。
当時毎月開催していた勉強会にご参加いただき、それ以来密度の濃い交流をさせていただいている。
深センに赴任して、オフィスを開設し、日本人を含む社員を採用。しかしほどなく、全員が退職してしまった。途方に暮れた友人は、私たちの共通の師匠である原田則夫師に相談に行った。
一通り経緯を説明。「それは大変だったなぁ」と言葉をかけていただけると期待していたが、一言「それは君が悪い」と言われたそうだ。仕事の定義をきちんとしていないから、辞めてしまうのだと指導されたそうだ。
それ以来友人は、仕事の定義をし始めた。毎日1件、パワーポイント1頁にまとめる事を自分に課した。
「顧客クレーム」「顧客クレーム対応」など言葉を一つずつ定義して行った。
ある程度まとまった所で、再び原田師に会い指導を受けた。
後日、原田師は私に、あいつはモノになるよ、とそっと話してくれた(笑)
原田師の予言通り、深セン営業所(全員中国人)は彼がいなくても回る様になり、無事上海に帰任した。その後、会社から出資を受け新規ビジネスを起業している。
当時友人とは「言葉の定義」が先か「企業文化」が先かで議論した事がある。
私はまず企業文化を整えるべきだと主張した。しかし今考えれば、言葉の定義が文化を創るのだから、友人の主張の方が正しかった。
特に私たちの様に、異文化環境で仕事をしている者は言葉の定義を明確にする事が重要だ。バベルの塔は、人々が違う言葉を事で崩壊したと言われている。一つの企業で定義の違う言葉が使われ始めると、企業文化は崩壊を始める。
このコラムは、2016年7月18日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第485号に掲載した記事に加筆しました。
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中国企業で不良低減の指導をしている。製造各部門、技術、品質、購買リーダに集まってもらい、各部門の困っている事を列挙してもらった。
以前別の中国企業でも同じミーティングをした事がある。この時はテーマが大量に出て、収集がつかなくなった(笑)
今回はあらかじめ各部門に問題点を3つ考えてもらった。それでも4、5個問題点を出して来る部門がある。今までこのような機会がなかったのだろう。毎回このミーティングは熱くなる(笑)
今回の改善活動は塗装部門の課題となった。各部門のリーダが一緒に改善活動に取り組む。もちろん購買部門のリーダには塗装不良はあまり関連がない。
参加してもらうのは、各部門のリーダに改善手法を理解してもらい、同様な活動を自部門で展開してもらうためだ。
塗装部門で発生する『飛辺』『毛刺』不良の改善が課題となった。
塗装不良が発生すると、手直し作業をしなければならない。手直し作業にはベテランが投入される。そのため通常作業は新人やパートなど未熟練作業者が従事する。そしてまた不良が発生すると言う悪循環となっている。
まずは作業現場で行き、不良が発生する「点」を観察する。
この観察により『打磨』と言う作業がポイントだと分かった。この『打磨』と言う作業は、ナイロンたわしで塗装面をこする作業だ。
しかしこの作業は二つの役割を持っており、方法も少し変わる。一つは、マスキングテープを密着させるのが目的。もう一つは、重ね塗りをする塗装面を荒らして塗料のつきを良くするのが目的。
従って『打磨』作業は、目的によって作業対象となる部位、達成すべき状態が異なる。まずは、目的の違う作業に別の名前を付けるべきと感じた。
もちろん作業指示書には、二つの作業の目的も方法も書いてある。その作業が同じ名前だと言うだけだ。それだけの事で問題視する事はなかろう、と思う方もあるだろう。
しかし言葉の定義をおろそかにすべきではないと考えている。
人の思考は言葉で決まる。そして思考が行動を決める。
そのように考えると、目的の違う作業には違う名前を付けた方が良いだろう。
このコラムは、2016年7月11日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第484号に掲載した記事に加筆しました。
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先週のコラム「力一杯と手一杯」にお二人の読者様からメッセージをいただいた。
雑感の「ライバル」も良かったと思っているが、こちらにはメッセージはなかった(笑)
※I様のメッセージ
僕は部下には『50%が自分の仕事・50%が部下の教育』と教えています。部下の教育に一番いいのは権限委譲じゃぁないでしょうか。
つまり『(部下)ツンモパン』→『(上司)リャンパン』です(笑)僕のリャンパンは立派な教育だと思っているので。
いい上司とは、なんでもいう事を聞いてくれるいつでも助けてくれる人の事ではなくて、突き放すけど見守ってくれる人のような気がします。
この製造部長さんは、不安なんでしょうね。忙しくないと上司から評価されないのではないかと。
忙しさ=仕事ができる人の条件と思っているのかもしれない。
確かに自分でやってしまうのが楽なんですよね。まずは、その考え方を変えてあげないと一生変わんないですね。
僕がこの製造部長にアドバイスするなら、
「あなたのやるべきことは、業務遂行ではなく業務で結果を出すことだ。」と言うかもしれない。「そのために人を育てチームとして最高の結果を出すことがあなたの仕事だ」とも。だから我が社は部長への評価は、結果(目標と業績)という項目を60%も割り当てているんです。
それから、自分の仕事50%は職責が上がればどんどん内容が変化してきます。班長は今日の仕事でいいのですが、係長から部長に成るにしたがって明日への仕事のウエイトがどんどん増えていく仕組みにしてます。
因みに、僕の『50%自分の仕事』ウエイトは、すべて明日への仕事100%です。
だから今忙しい(笑)
I様は中国で工場を経営されている方だ。
文中の『(部下)ツンモパン』→『(上司)リャンパン』を解説しておくと、
部下が『怎么办』(zěn me bàn)どうしたら良いですか?と尋ねてたら上司は『凉拌』(liáng bàn)と答えておけと言う意味だ。
『涼拌』は元々冷菜の意味だが、『怎么办』と語呂を合わせて、「分からない」とか「さぁ」と言う意味で使う。手取り足取り教えるのが良い上司ではなく、突き放して自分で考えさせるのが良い上司と言う事だ。
彼の経営目標の中に、従業員を「考える軍団」にすると言う項目が去年から入っている。
※Y様のメッセージ
いつもメルマガありがとうござます。
”力一杯と手一杯”にはグサッときました。実のところ自分自身が日々、手一杯のくせに今回このようなテーマでしたので、余裕をみせかける意味でメッセージさせていただきます(笑いいテーマでしたので、さっそく中国人部下にも伝えようと思い、「力一杯と手いっぱい」を中国語訳を自分で調べると『全面発力と満手』。
ん~なんだかしっくりくるようなこないような・・・。
さらに英語だと・・・。日本語はやっぱりいいですね。
Y様も中国の工場にご勤務の方だ。中国人部下に直接中国語で伝えたいと言うお気持ちと、早速実行に移す所は見習いたい。
私も「力一杯」と「手一杯」の中国語訳を考えてみた。
『拼命工作』と『忙着工作』
『努力工作』と『忙手工作』
語呂を考えて○○工作となる様にしてみたが、やはり頭が日本語脳になっているのだろう(笑)中国語では上手く語呂合わせが出来ない。
正直に告白すると、前職時代私自身が「忙しい」=「充実」と言う大いなる勘違いをしていた。「手一杯」状態になっていないと不安を感じる始末(笑)先週のコラムでご紹介した携帯を耳に当てて工場内を走り回っている部長さんが他人事の様に思えない。
今指導しているこの工場では、材料や中間在庫を溜め込んで安心している董事長の心が変化して来ている。
私がいない間、改善推進リーダ(経営企画部長)が微信に上げてくる現箸写真を見ると、徐々に成果が出始めている。
くだんの製造部長さんも「手一杯病」から救ってあげられそうだ。
このコラムは、2016年6月13日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第480号に掲載した記事に加筆しました。
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