「太陽と月はどちらが偉いか」
「太陽は明るい昼間しか照らさないが、月は真っ暗な夜を照らしてくれる」
なるほどと感心する。明るい昼間を照らしても無駄だ。ならば暗い夜を照らしている月の方が価値がある。
下村湖人の書籍に出てきた言葉だ。
「青年の思索のために」下村湖人著
しかし御巣鷹山日航機墜落事故を題材にした推理小説「クライマーズ・ハイ」にはこうある。
「月は太陽がなければ輝かない。月を輝かせるのが太陽の役割」
「クライマーズ・ハイ」横山秀夫著
太陽が明るい昼間を照らしているのが無駄である、という論は、太陽が明るい昼間を作っているのを忘れている。しかも暗い夜を照らしている月は太陽に照らされて輝いている。
目に見える活躍だけに着目し、本来の役割を見失うと同じような過ちが発生する。
昼行灯のような職員が休暇でいなくなると、急に職場が暗くなる。
老害と思っていた年寄りが定年退職すると、仕事が回らなくなった。
何の役に立っているかわからない部品をコストダウンで外したら不良が増えた。
訳の分からないコードを削除したら、プログラムが動かなくなった。
あなたの周囲にも太陽と月問題が潜んでいないだろうか(笑)
■■ 編集後記 ■■
最後まで読んでいただきありがとうございます。
消費税を上げれば経済は停滞する。太陽と月問題よりもずっと明確な因果関係
があるのに、粛々と増税に向かっているようです。
このコラムは、2019年7月19日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第851号に掲載した記事です。
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