先週のコラムに読者様からメッセージをいただいた.
※L様のメッセージ
林先生
先生のメルマガを購読して、既に3年も超えました。
いつも中国企業に関する経営管理の考え方と手法を日本人の目で斬新な視点を紹介していただき、大変勉強になっております。
今回のメルマガで、「相違点より共通点に着目」というテーマは、大変同感しております。相違点を強調しすぎる協和的に物事を進めていけなくなり、共通点を求めることで不可能なことでも可能になると考えております。中国は、協和社会作りにちからを入れておりますが、中日関係も協和関係を作れるように、両国の国民の共通点を探し、また、相違点を共通点に変化していく方法も研究することも願いたいです。
メルマガ創刊当時からご愛読いただいている読者様からのメッセージだ.
こういうメッセージをいただくと,毎週コツコツとメルマガを配信して来て良かったと痛感する.本当に嬉しい.
本当のことを白状すると,私も以前は「相違点派」だった(笑)
前職の頃,中国にある4社の協力工場を指導していた.当時は表面的なことしか目に見えず,日中の違いを考慮して,指導すべきだと考えていた.
日本的な考え方を指導しても,理解出来ないだろうと言う思いがあり,仕組みで間違いなく,効率よく生産出来る様にすることに力を入れていた.当時は,中国人と日本人の考え方の違いを解説した本を読みあさったモノだ.
独立した後,どうすれば人が働く意欲を持つか,と言うことを考える様になった.日本の会社では,そういうことを考えなくても仕事はできた.会社には人事部門があり,彼らが制度や施策を下ろしてくれる.自分は,それを自部署にどう展開するかだけを考えれば良かった.
しかし一人になると,自分で全て考えなければならない.中国で工場を経営している人たちと,毎月勉強会をする様になった.
人が働く意欲を持てば,仕事が楽しくなるはずであり,仕事が楽しければ,幸せになるはずだ.幸せな従業員が集まった会社は,業績も良くなる,という単純な信念で,ずっと考えて来た.
今の所たどり着いたのは「共通点をマネジメントする」と言う方法論だ.
人の魂は,何人であろうと「幸せになりたい」と言う意欲を持っているはずだ.幸せになるためには成長しなければならない.成長のための努力は喜んで取り組むはずだ.努力した結果「幸福」と言う最高のインセンティブが得られる.この「成長意欲」を求心力として,組織をマネジメントすれば,意欲の高い組織になるだろう.
「報酬と罰」で動機付けられる組織は,人が生き生きと働く環境にはなり難いと考えている.
このコラムは、2012年11月26日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第285号に掲載した記事に加筆したものです。
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