タグ別アーカイブ: モチベーション

生産性は朝礼で決まる

 先週は第一回中国華南モノ造り交流会を開催した。
志の高い方々に集まっていただいた。上海から参加いただいた方もあり、交流会の発案者としては、大変うれしかった。

参加された経営者が「生産性は朝礼で決まる」と言っておられた。
私も同感であり、改めて朝礼の効能を実感した。メルマガ読者様にもシェアしたい。

彼はもう7年間も朝礼を毎朝している。全社員が部門別の朝礼に参加する。持ち回りで1分間スピーチをしたり、各部が工夫を凝らして毎朝開催する。

1分間スピーチは、各自が工夫して話をする。
ある者は将来の夢を語り、ある者は今日やるべき仕事を発表する。発表した者は、それを達成しなければ、格好がつかない。努力をすることになる。

笑顔で挨拶訓練も朝礼でやる。
お互いに向かい合って、大きな声で挨拶をしあう。たったこれだけの事だが、馬鹿にしてはいけない。大きな声を出せば、ココロが晴れやかになる。晴れやかなココロは、行動を溌剌とさせる。行動が溌剌となれば、生産性が上がる。

今日一日の仕事の発表をしているので、朝礼後すぐにエンジンがかかる。間接職員の生産性が、目に見えて上がる。

毎朝朝礼をやっていると、徐々にマンネリ化するモノだ。
しかしこの経営者は、朝礼をマンネリ化させず、進化する仕掛けを用意している。定期的に「朝礼大会」を開催している。「朝礼大会」とは各部署が自部署の朝礼を競い合う発表会だ。一番感動する朝礼に賞が与えられる。


このコラムは、2012年6月18日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第第262号に掲載した記事に加筆したものです。

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人の心を計る

 人の心の状態はどう計ったら良いのだろうか?
私は、こういうテーマについて色々考える事が多い。

会社の業績は、従業員の仕事の成果によるモノだ。その成果は、従業員一人ひとりのモチベーションに大きく左右される。従って、どうすれば従業員のモチベーションを高められるかを、考えることになる。考えた結果を試してみる。それがうまくいっているのかどうかを計測し、更に改善する。

そのため、モチベーションの高い低いを計測する事が必要になる。普通の物理量であれば簡単に測定出来る。ノギス、ストップウォッチ、電圧計など測定器具が有る。しかしモチベーションの高低は、物理量とは言い難い。人の心の状態を測定するのはそうは簡単ではない。

最近の脳科学は核磁気共鳴MRIにより「観測・測定」が可能になり、格段に進歩したと聞く。しかし我々が、そんな高価な測定装置を使う事は出来ない。

ではどうすれば良いか。
私はこんなアプローチで考えている。
モチベーションを上げて得たい結果は何か?この結果で計測するのが一番だ。モチベーションを上げた結果、作業効率を上げたいのであれば、作業効率を計測すると言う事だ。

モチベーションとその結果(作業効率)に強い相関が有れば、こういう考え方で良かろう。しかし相関が弱い場合は、モチベーション向上施策と効果の関係が曖昧になる。

例えば、モチベーションと離職率の間に相関があるのは確かだろう。しかし相関の強弱は良く分からない。
福利に対する満足度が離職率との相関が強い場合もあり得る。この場合は、モチベーションを測定するよりは満足度を測定しなければならない。

実際には、離職する人の心理にはモチベーションも福利に対する満足度も影響を与えているはずだ。そうは単純に人の心を測定出来ない。

こういう場合は、離職を考えている人はどういう行動をとるか、を考える。例えば、離職を考えている人は職場内でコミュニケーションが少なくなる。と言う傾向が観察されるとすれば、コミュニケーションの量を測定すれば、離職者の予測が出来る様になる。

行動は、物理量で測定可能だ。上述の例で言えば、報告の頻度、同僚や関係者に対するE-mailの回数、分量などで計測可能となる。

つまり人の心の状態は、行動に置き換えれば測定が可能になる。

責任感が有る、リーダシップがある、積極性が有るなど従業員として好ましい状態だが、全て心の状態だ。公平な測定(評価)が難しい。これも全て行動に置き換えることにより、測定することができるはずだ。


このコラムは、2014年5月12日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第361号に掲載した記事に加筆したものです。

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理念の浸透

 従業員が同じ目的を共有し、共通の理念のもとに働く。経営者が目指すのは、この様な従業員が集まった組織だと思う。

そのために経営者は日々目的や理念を、全従業員に浸透させる努力をしなければならない。

例えば「○○を生産することにより、豊かな社会を実現する」と言う理念の工場で働く作業員や清掃係はどのような心構えで仕事をすべきか?
これが理解出来なければ、お題目の様に理念を毎日唱えても浸透しないだろう。

なぜなら、作業員や清掃係の仕事と理念が結びついていないからだ。
理念を何度唱えても、今自分がやっている組み立てや、トイレ掃除の作業と「豊かな社会の実現」が結びつかないからだ。

自分の作業や仲間の作業が集まり一つの仕事になり、その結果豊かな社会が実現出来ると言う事が腑に落ちなければ、理念はただのお題目となる。

ではどうすれば良いのか?
以前このメルマガで書いた様に「ストーリィの力」を使う。

「物語型内発的動機付け」

理念を箇条書きにしても、心にはささらない。
物語として伝えれば、腑に落ちる。

人類が太古の昔から、生き残る為の知恵として語り継がれ、DNAに落とし込むための手法が「物語」なのではないかと考えている。
私たちは子供の頃から「物語」として昔の人々の知恵を引き継いでいる。物語が、潜在意識に過去の記憶を刻み込み、DNAレベルの行動をひき出す事が出来るのだと推測している。

この様な方法で理念を伝えれば、一人ひとりの心の奥深いところまで理念が浸透するだろう。理念の浸透は広さと深さが必要だ。

映像制作を上海でやっている友人がいる。
彼は企業の新人教育や作業マニュアルを映像化する仕事をしている。
彼のサイトを見ていて、理念の浸透にはストーリィの力が有効だと確信した。

ファイヤーフライクリエーション上海
店長の成長記


このコラムは、2015年8月31日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第439号に掲載した記事です。

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内発的動機付け

 動機付けとは、行動を起こさせ、目標に向って行動を維持・調整する城能だ。
動機付けが上手く行けば、人は行動を起こし、目標を達成する為に努力を継続することになる。経営者にとって従業員の動機付けにより行動意欲を高めることは、業種業界を問わず共通の課題だ。

動機付けには、外発的動機付けと内発的動機付けがある。
外発的動機付けは、義務、賞罰、強制などの外部から与えられる動機付け。
内発的動機付けは、好奇心、関心など自己内部から発生する動機付けだ。

例えば読書と言う行動を考えてみよう。夏休みの課題で本を読むのは、外発的動機付け。知的好奇心を満足させる又は小説が面白くて本を読むのは、内発的動機付けと言える。

外発的動機付けだけで、読書と言う習慣を付けることは難しい。初めは外発的動機付けであっても、読書の楽しさを知れば、読書習慣は身に付く。

例えば、卵に外部から力を与え殻を破れば、それは死を意味する。
しかし、卵の内部から力をかけて殻を破れば、誕生だ。

命令、依頼、相談、暗示、招集の順に外発的動機付けが強い、逆に命令→招集に行く程内発的動機付けが強まる。報酬も外発的動機付けだ。
命令は服従を要求する。依頼、相談は説得により納得を得る方法だ。
では、暗示、招集はどう考えたら良いか?つまり自分自身で内発的動機付けを起こさせる方法はあるのか?

「5Sをやれ!」とハッパをかけるのは命令型外発的動機付け。
「5Sをやって欲しい」「5Sをやろうと思うけど協力してくれるか?」と依頼、相談するのは説得・納得型外発的動機付け。
「職場の環境を良くするには5Sと言う方法が良いらしい」と言う暗示、「職場環境を良くするアイディアを出してくれ」と言う招集が、内発的動機付けを起こす。

この内発的動機付けを発生させるにはどうしたら良いか?
子供が図鑑を夢中になってみる。TVゲームを夢中になってやる。
これらは知的好奇心を満足させたい。ゲームに設定された課題をクリアしたい、と言う内発的動機付けが機能している。

同じことを5Sでもやれば良いのだ。
ゲームと5Sでは、子供と大人、遊びと仕事と状況が違っている。しかし共通項を探せば上手く行くはずだ。

私の仮説は「ストーリィ」だ。

子供は図鑑でトリケラトプスの絵を見て夢中になるのは、原始時代ストーリィを疑似体験しているからだ。ゲームも困難を乗り越えると言うストーリィが設定されている。

同様に5Sがきちんと出来ると、自分たちの職場環境はどうなるのか?自分はどのように成長するのか?こういうストーリィが明確になっていれば、理想状態を疑似体験することができる。

これを「物語型内発的動機付け」と名付けてみた。

5S理想状態を実現している工場を見学することは、映画を見る様に「物語型内発動機付け」を刺激することになる。
先週土曜日は、工場見学・交流会を開催した。参加された経営者、経営幹部の方々の物語型内発的動機付けを高めることが出来たと思っている。


このコラムは、メールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】に掲載した物です。
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